top of page

1月17日(水)クリエイトジャパンブログ

シドニー郊外に屋内スキーリゾート施設を建設!

シドニーの大手新聞 ザ・シドニー・モーニング・ヘラルド(The Sydney Morning Herald)紙 が2024年1月13日付けオンライン版の記事で、シドニー郊外のペンリス(Penrith、シドニー中心部から西へ約60km)に大型屋内スキーリゾート施設が建設されると報じました。同紙によると建設費用は4億ドル(1月17日時点の為替レートで約390億円)で、スキーの他、雪遊びやクライミングもでき、レストランやカフェ、カンファレンス会場や170部屋のホテルも併設されるようです。スキー場は年中無休で深夜まで楽しめ、その他の施設や飲食店、ホテルは11pmまで営業、スロープの長さは300メートル、一番高いところで54メートル、最大勾配は16度とのことです。

 

ディベロッパーのピーター・マグ二サリス(Peter Magnisalis)氏は、今までスキーリゾートに行く経済的余裕がない人でも気軽にスキーを楽しんでもらい、冬季オリンピック選手の人材育成やトレーニングにも活用できる施設として提供したいと話をしています。懸念される電力の消費量について同氏は、人工雪を作り施設内を冷却するには大量の水とエネルギーが必要だか、施設は密封性と断熱性あり、建物を理想的な温度にするのに最初は数ヶ月かかるものの、その後は効率的に運営でき、1平方メートルあたりのエネルギー使用量は恐らくオフィスビルよりも少なくなるだろうと述べています。

 

このプロジェクトはオーストラリアスキーエリア協会の最高経営責任者コリン・ハックワース(Colin Hackworth)氏の支持も得ていますが、同氏は 「この公共施設はシドニー西郊外に住んでいる人々に今までにはなかったレクリエーションの選択を与えると共に、スレッドボー(Thredbo)やペリシャー(Perisher)といったスキーリゾートと競合するのではなく、むしろスノースポーツやウィンター観光を促進するものであり、大変素晴らしいプロジェクトだ」 と語っています。私自身も同氏の意見には賛成で、間違いなくスキー人口を増やす手助けになると考えます。季節を問わず1年を通して気軽にスキーやスノーボードを体感することで、その楽しさを実感した人は本物の雪で滑ってみたいと思うのは必然です。

 

オーストラリアは独自の移民法で緩やかな人口増を実施していますが、それに輪をかけてスキー人口が増えることは日本のスキー業界にとっても朗報です。このスキーリゾートが完成すれば、春秋は屋内スキーリゾートで、冬はオーストラリア国内のスキーリゾートで、夏は北半球のスキーリゾートで思う存分ウィンタースポーツをエンジョイするというオーストラリア人が増えるのではないでしょうか。

2024年1-12月 CRe8Japan 通信: テキスト

8月24日(木)クリエイトジャパンブログ

 

インバウンド向けの究極のおもてなしとは?

インバウンド業界における大切な要素の一つとして「リピート率」が挙げられます。当然のことですが、一度しか来てくれない観光客よりも、何度も訪れてくれる観光客の方が有難いわけです。それにリピート客は日本の旅行に慣れている分、受け入れ側としてもいろいろ助かるのも事実です。そういった意味では日本のインバウンド業界にとって、オーストラリア人はリピート率の高い、有難い顧客であることは間違いありません。オーストラリア人は一度その場所を気にいると、何度も足繁く通うという習性はあるのですが、もちろんリピートするということはそれなりに満足していることは言うまでもなく、その満足度を高める一つの要因として、「日本的なおもてなし」が寄与していると考えられます。ではどんな日本的なおもてなしが満足度が高く、どんなおもてなしが低いのか?というのが今回のブログのテーマです。あくまでも筆者の個人的な意見ですので「まぁ、そういう考え方もあるよね」程度の気持ちで読んでいただけると幸いです。

 

以前オーストラリア人の知人から日本のサービスについて聞いた話ですが、日本のタクシー運転手の丁寧な対応(海外の観光地ではぼったくる運転手がいる)や、物を紛失してもちゃんと戻ってくること(日本以外では戻ってくることはまずない)、公共交通機関が時刻表通りに運行されていること(オーストラリアでは時刻表はあってもあまり当てにならないことが多い)などを絶賛していました。日本人的には当たり前のことのように思いますが、外国人にとって日本のサービス品質は「Amaging!」となるわけです。

 

一方で日本的なおもてなしが外国人にとっては少々過度すぎるケースも見受けられます。つまり上述した通り、日本人的には当たり前のサービスが良い面で受け入れられれば良いのですが、悪い面でとらえられると満足度にも影響し、大袈裟かもしれませんがリピート率に関わってくる可能性も出てきます。逆の言い方をすると、その点を気をつければもっと満足度を高めることができ、リピート率も高められる可能性があるということになります。

 

例えとしては随分昔の話になってしまうのですが、オーストラリア人のホームパーティに呼ばれたときの出来事です。とてもフレンドリーで親切なオーストラリア人夫婦が、「日本人は鰻が大好きだと聞いたから、今日のバーベキューには鰻も用意したよ」と言って、満面の笑みを浮かべてもてなしてくれました。せっかくの好意に対して「日本人は鰻が好きというより、鰻の蒲焼や鰻重が好きなんだよ」とは口に出せず、鉄板で焼いた鰻に醤油をかけて食べましたが、なんとも微妙な味だったことと、そのおもてなしの心に対しては涙が出るほど嬉しかったのを今も覚えています。もう一つの例え、これは昨年の話なのですが、妻の誕生日を日本で迎えました。妻の母と妹も加わりご近所の和食店で祝ったのですが、オーダーしたお料理の他に、凄い量のお寿司がサプライズで出てきました。ご主人からすると究極のサービスとして振る舞ってくれたと思うのですが、4人ともオーダーしたお料理だけで満腹で、かと言って残すのも申し訳ないので無理して限界まで頑張ったのですが、最終的には断念して持ち帰ることにしました。料理はどれも美味しくサービスも親切丁寧だったのですが、どの料理も想像をかなり上回る量で、正直な感想を言うと残さず食べるのに大変でした。とても良い感じのご主人だったのですが、「量が多い=お客さんが喜ぶ」という方程式が出来上がっているようでした。この2つの例でお伝えしたかったのは、もてなす方は最高のおもてなしと思っていても、もてなされる方にとってはそうではないケースが少なからずあるということです。これは頭では理解していても難しいところで、特に国が違えば尚更です。その判断基準のポイントは「お仕着せ」「決め付け」「思い込み」のおもてなしかどうか、ではないだろうかと思います。

 

話は変わりますがある経済誌のWEB版で、ユニクロが国内外ともに成功した要因の一つは「接客しない」ことにある、という記事を読んだことがあります。つまりユニクロはお客さんに声をかけるのではなく、お客さんがスタッフに声をかける接客スタイルとのことです。この記事によると、接客しないスタイルはZARAやH&Mといった大手ファッションブランドも同じだそうですが、ユニクロは「接客しない」スタイルに「日本人ならではの細かな気配り(袋詰めする際のテープを剥がしやすくするなど)」を加えたことが、海外事業を成功させたと書いてありました。

 

先日パブでビジネスパートナーとビールを飲みながら「おもてなし」について話していたのですが、ほろ酔い気分で二人が行き着いた結論は、「究極のおもてなし」とは「選択肢を与える」ことではないか、それが「細かな気配り」ということではないか、ということで話は落ち着きました。業種や職種によって様々な考え方があると思いますが、一度「おもてなし」について考えてみる機会になり、リピートする外国人観光客がより一層増えることにつながればとても嬉しく思います。

2024年1-12月 CRe8Japan 通信: テキスト

8月10日(木)クリエイトジャパンブログ

 

シドニーのグルメファンに人気の「Chef’s Table」

もう2年以上前のブログで、シドニーでは「お任せ料理」が大人気だと紹介しましたが、今現在も日本を訪れる外国人は「OMAKASE」で料理をオーダーする人が大勢いて、もはや完全に定着した日本ならではの食事スタイルになったと言えるでしょう。そのスタイルはシドニーでも今尚人気なのですが、今回のブログでは「OMAKASE」とは少し趣向が違う、「Chef’s Table」がグルメファンの間で人気が高まっているという話題をお届けします。本来「Chef’s Table」とは、料理長が厨房でシェフやスタッフに料理の説明などに使う作業用テーブルを指すようですが、今はゲストをもてなすための特別なテーブルという意味でも使われているようです。

 

インバウンド業界に係る皆さんや、グルメファンの皆さんはすでにご存知の方も多いと思いますが、簡単に「Chef’s Table」をご説明すると、シェフがゲストのために特別に用意をしたテーブルや特等席での食事のことを指します。何が特別かはお店によっても異なるのですが、シェフ(や板前さん)との会話や調理シーンを楽しんだり、料理や素材について直接シェフから説明を受けたりと、シェフから最大限のおもてなしを受けられることが一番の特徴でしょうか。筆者の勝手なイメージでは、「Chef’s Table」は「OMAKASE」よりもシェフを独占でき、そのおもてなしを享受できる食事スタイルのように思われます。

 

ちなみにシドニーで「Chef’s Table」で検索すると、様々なレストランのホームページが表示されるので訪れてみると、大概トップページのメニューバーに「Chef’s Table」があって、クリックするとそのコンセプトや料金などが詳しく紹介されています。私が時々通っている日系焼肉店では「最高級和牛肉の季節に合わせたテイスティングメニュー」がコンセプトになっています。また最近オープンした日本人にも人気のファインダイニングの「Chef’s Table」メニューは、「日本人シェフのパリや東京のハット獲得店での経験やこれまでのジャーニー(旅)を表現し、シェフと生産者のパッションとリスペクトを反映させた物語としての料理」がコンセプトのようです。もう一つ、東京にも支店がある有名ギリシャ料理のシドニー本店は、「プライベートな空間でプライベートな時間」をコンセプトに、特別なお祝いをするには最高のテーブルであることを売りにしています。参考までにですが、このお店の日本の公式ホームページを確認したところ、「Chef’s Table」は今のところないようです。

 

日本発祥の「OMAKASE」は、ニューヨークを発端にあっという間に世界中のグルメファンに浸透しましたが、海外発祥の「Chef’s Table」は歴史もあり、日本でも高級レストランを中心に浸透しているようです。筆者個人的には、高級レストランに限らず気軽に行けるお店においてもこのようなコンセプトの食事スタイルがあると、ちょっとした特別な日に利用してみたいなと思いました。もしかすると外国人観光客も日本ならでは「Chef’s Table」を求めているかもしれませんね。

2024年1-12月 CRe8Japan 通信: テキスト

7月26日(水)クリエイトジャパンブログ

単価の高い旅行商品が大人気!

先日、あるスノーリゾートの依頼でスキー旅行セミナーと商談会を、オーストラリアの旅行会社及び旅行メディア向けに実施しました。今日のブログはそこに参加されていた旅行会社とのネットワーキングで得た情報をお届けしたいと思います。イベント主催者側の立場でしたので、お話できた旅行会社は数社のみで、それほどゆっくりとは話せませんでしたが、とても興味深い内容でした。全ての旅行会社に該当するわけではなく、各社のターゲットや体制にもよると思いますが、市場全体として下記の傾向にあるのは事実かと思います。

 

ある旅行会社のお話によりますと、旅行相談における家族旅行の予算が200〜300万円(約2〜3万豪ドル)の場合、コロナ前までであれば時々しかいない上質の顧客だったそうですが、現在においてはその予算だとボトムラインだそうで、それ以上の予算での問い合わせの方が多いようです。その方いわく、コロナによって多額の助成金を手にした、いわゆる「コロナ・リッチ」という方が大勢存在するらしく、その方々は高級な旅行を求めているとのことでした。安上がりな旅行を何度もするのではなく、旅行回数は減らしてその分贅沢な旅行を好む傾向にあるようです。

 

また、別の旅行会社のお話では、旅行業界全体が深刻な人手不足に陥っているので、全ての問い合わせに対応することが難しくなってきており、正直、実際の申込みの可能性が低い問い合わせに対しては対応したくてもできないのが現実、とのことでした。

 

旅行会社のポリシーや体制、規模や旅行商品などにもよりますので、上記の意見が全てではないと思いますが、人手不足は現実的な課題であり、人気旅行商品が高級路線に向かっていることは事実かと思います。ちなみに私のビジネスパートナーは、来年4月を目処に高級旅行商品を販売開始する予定ですが、その額なんと一人800万円です。彼は日本文化を紹介する英語書籍を上梓しているのですが、その読者を中心にSNSを通じて世界中1万人の日本文化ファンと繋がっていて、その中でも欧米豪の富裕層のみを対象とした日本文化体験ツアーを造成するとのことです。来月8月からその下見を兼ねて彼が構想しているルートを回るそうですが、その行程やオリジナルアクティビティを聞いただけで、従来のパッケージツアーとは発想が全く違うなと感じました。少人数の催行ツアーとのことですが、恐らくそれなりの需要はあるのだろうと思います。

 

インバウンド業界では「量から質への転換期」と言われ始めて久しいですが、その勢いは益々加速しそうです。日本のバブル期にオーストラリアのインバウンド業界を目の当たりにしましたが、当時の日本人観光客は免税店でブランド品を買い漁るなど、オーストラリアに対しての敬意というものをあまり感じませんでした。しかし現在の日本のインバウンド業界の状況はそれとは異なり、そこには外国人観光客の日本に対する「尊重」や「憧憬」といった想いが存在します。言い方を変えると、そういう想いを持って日本を訪れてくれるインバウンドへのアプローチに切り替える時期に来ているのではないか、そのように思うのです。そのような層は欧米豪に比較的多いのは事実とは思いますが、国別ではなくどの国にもそのような層は存在し得ると考えます。日本での消費額だけで選別するだけではなく、「質」の意味を深く理解した上でのアプローチが必要になってきたのではないでしょうか。

2024年1-12月 CRe8Japan 通信: テキスト

7月24日(月)クリエイトジャパンブログ

ヴァージン・オーストラリア航空、日本直行便初就航!

ヴァージン・オーストラリア航空は6月28日より毎日、羽田⇄ケアンズの往復直行便の運行を通年で開始しました。この便では毎週2,000席以上が確保されることになり、日本がより渡航しやすいディスティネーションになったのは間違いないと思います。現地時間で午後早い時間帯でのケアンズ発ですので、シドニー、メルボルン、ブリスベンからの同日乗り継ぎが可能で、料金も比較的お手頃です。今まで以上に日本を気軽に訪れてくれる人が増える良い機会になるのではないでしょうか。ただし羽田着が20:00と、スキー旅行が目的の人にとってはいささかスノーリゾートへの乗り継ぎが不便ですので、東京ステイから始まる旅行や、スキー旅行以外の目的で日本を訪れる人を中心に需要が高まるものと思われます。

 

いずれにせよ日本行き直行便が増えエアライン間の競争が高まることで、航空運賃が値下げ傾向に進むことは日本のインバウンド業界にとっては嬉しいニュースです。2020年から始まったコロナ禍を振り返り、たった1年前までは日本の国境が閉ざされていたことや、つい数ヶ月前まで航空券の高騰が続いていた状況を考えると、何とも有難い環境になってきているなと、改めて感謝する次第です。

2024年1-12月 CRe8Japan 通信: テキスト
bottom of page