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6月15日(木)クリエイトジャパンブログ

オーストラリアの職業別年収ランキング

前回のブログに続き今回もお金にまつわる話題で恐縮ですが、先日チャンネル9のウェブ版で、オーストラリアの職業別年収ランキングが発表されていたのでご紹介します。オーストラリア経済活性化の先頭を切って引っ張っているのは、きっとこういう人たちなのだろうなと、羨望の眼差しとため息を漏らしながらお届けしたいと思います。

 

以下、為替レートは6月15日現在(AUD1=JPY94.87)を適用

 

【第10位】 ファイナンス投資アドバイザー $169,608(約1,600万円) 国内に20,258人存在

●4月号のブログでオーストラリア人は貯蓄はせず投資をする、という内容を書きましたが、資産を構築していくためには長期的戦略を立てたり、財務リスクを管理する必要がありますので、当然専門家のアドバイスが必要になってくるのでしょうね。

 

【第9位】 CEOおよび取締役社長 $177,508(約1,684万円) 国内に224,015人存在

●ランキングしている職業の中では一番多い人数だそうです。

 

【第8位】 裁判官および法律専門家 $193,388(約1,835万円)国内に4,000人以上存在

●裁判官、弁護人、弁護士、企業弁護士、税務弁護士など様々な職種に渡りますが、意外と人数は少なく感じます。

 

【第7位】 資源(鉱山)関連エンジニア $196,178(約1,860万円)国内に9,127人存在

●オーストラリア人の平均年収が$68,289(正規雇用以外全ての労働者を含む。正規雇用だけだと文献にもよりますが約$92,000)なので、3倍弱の年収に相当します。

 

【第6位】 一般医およびその他医師 $251,722(約2,388万円) 国内に28,947人存在

●その他医師には放射線科医、病理学者などが含まれます。 

 

【第5位】 精神科医 $270,412(約2,565万円)国内に3,071人存在

●多民族国家のオーストラリアでは、150以上の言語でメンタルヘルスサポートを行っています。

 

 

【第4位】 内科医 $334,267(約3,170万円)国内に10,055人が存在

●ちなみに日本の内科医の年収はネット情報によると、1,400万円〜2,000万円が45%、1,000万円〜1,400万円が39%とのことです。

 

【第3位】 ファイナンシャル・ディーラー $341,798(約3,242万円)国内に4,761人存在

●緊張が続き気を抜けない仕事だとは思いますが、これぐらいの収入があれば大概のことは我慢できるでしょうか。

 

【第2位】 麻酔科医 $426,894(約4,050万円)国内に3,379人存在

●人の生死に関わる重要な仕事、かつ膨大なスキルと経験が必要なので、これぐらいの年収があって妥当とは思いますが、それにしても庶民からすると想像がつかない金額ですね。ちなみに日本の麻酔科医全体の平均年収は1,584万円で、人手不足が深刻だとネットに出ていました。

 

【第1位】 外科医 $457,281(約4,338万円)国内に4,157人存在

●4年間の医学学位を取得後、5〜6年の訓練が必要とのことですが、やはり外科医の所得はどの国でも凄いですね。

 

以上コメントをつけてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?日本の観光地への投資が続いていますが、この方たちからすると数億の物件はきっと大した金額ではないのでしょうね。日本の職業別でも少し調べてみましたが、第1位は医師(1,400万円弱)、第2位はパイロットと大学教授(共に1,000万円強)だそうです。パイロットは各国のパートナー航空会社同士でシェアしていることもあり、国によってそれほど年収に差はないようですが、オーストラリアではパイロットはトップ10には入っていません。大学教授の年収もオーストラリアでは1,500万円以上あるそうですが、やはりトップ10にはギリギリ入っていません。

 

日本もオーストラリアも医師は人の命を預かる重要な職業ですので、高収入なのは同じ環境なのですが、労働環境においては大きな差があることに注目すべきだと思います。実習生や研修医として多くの日本人医師がオーストラリアの医療業界での経験をブログなどで書いていますが、その歴然とした差に皆さん愕然としています。ある文献には1週間の日本人医師の労働時間は平均57時間以上、オーストラリア人医師は平均44時間未満と書いてありました。有給休暇の取得も含め換算すると、日本人医師はオーストラリア人医師より、年間1ヶ月以上多く働いているという結果らしいです。検索するといろいろな日本人医師のブログがヒットしますので、もしご興味があれば読んでみてください。

 

今回は日本とオーストラリアの経済力の差がはっきりと理解でき、とても参考になる記事を見つけましたが、なんだか自分の世界とは異なり過ぎてどうもピンとこないので、今日は早めに仕事を切り上げパブでビールを飲むことにして、自分なりの人生を謳歌しようと思うのでした。

6月6日(火)クリエイトジャパンブログ

オーストラリアの最低賃金がまたもや上昇!

オーストラリア連邦政府の公正労働委員会の発表によると、年度が新しくなる来月7月1日よりオーストラリア国内の最低賃金が、現行の21.38豪ドルから8.65%引き上げられ23.23豪ドルになります。仮に週40時間働くとすると週給が929豪ドルです。本日現在の為替レート(1豪ドル約93円)で換算すると、時給が2,160円、1週間40時間勤務で86,000円以上の収入になります。あくまでもこの金額は最低賃金ですので、経験があり特別なスキルがある人や、人材不足が深刻な業界においては、この金額を上回る収入があることは言うまでもありません。

 

日本のメディアでも時々取り上げられているように、現在この高賃金の労働環境を狙って、日本から多くの若者たちがオーストラリアに押し寄せています。「出稼ぎ」と言う言葉が適当かどうかはわかりませんが、まさに収入を得ることを最大の目的として来豪するわけです。もちろん純粋に英語の勉強や海外経験を積むことを目的にしている人もいますが、以前は存在していなかった稼ぐためにオーストラリアにやってくる人がいることは、長年オーストラリアに在住している筆者にとっては、とても不思議な現象で、予測できなかった状況です。

 

このような状況の中で懸念されるのは、若手を中心とした日本からの人材流出です。一つの例としてご紹介すると、オーストラリアのメルボルンはコーヒーのメッカとして世界的にも有名で、カフェ文化が市民に深く浸透し、コーヒーに対してこだわりが強く舌も肥えているので、海外からバリスタを目指す若者が修行にくる都市として知られています。ここ数年バリスタの経験を積みたい日本人も多く来豪し、日本のカフェアルバイトとは比較にならない高収入を得ながら、英語を取得しつつバリスタとしての経験を積んでいます。こういった現象は飲食店に限らず、介護士やその他の職種、業種にも起こっていることなので、このままでは日本の人材不足が加速化するのではないかと懸念します。

 

一昔前まで日本は稼げる国として貧しい国から大勢の出稼ぎ労働者を迎え入れていました。しかしその受入体制はしっかりとした制度があって成り立っていたとは言えず、現在のオーストラリアのように健全で透明性のある人材確保とは異なるシステムだったと思います。ところが今の日本はその頃とは違う意味合いで、観光や教育、ビジネスを目的に世界中から「憧れ」や「夢」を持って外国人が訪れる国になりました。人手不足は深刻な状況ではありますが、一方世界中から人が集まるとても幸運な時期でもあります。今こそ日本は古い概念や慣習を見直して、未来志向の新しい労働の仕組み、海外からの労働者の受入体制、日本独自の技術や伝統文化の後継者制度など、勇気と信念を持って改革を積極的に推し進める時期ではないでしょうか。

 

一流バリスタを目指す人が「憧れ」や「夢」を持ってメルボルンに集まるように、日本ならでは技術や文化、ホスピタリティーに「憧れ」や「夢」を持って人が集まり、働ける環境とシステムが構築できれば、新たな人材を確保しつつ優秀な人材の流出をも防げるのではないかと思います。

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