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11月29日(火)クリエイトジャパンブログ

航空チケット代金の高騰について

 海外居住邦人の共通の問題として、日本の家族に何かあった際にすぐ駆けつけられないことが挙げられます。私や妻の親も高齢になってきたので、最近は以前にも増して心配になってきました。そんなことを考えながら直近の日本行きフライトの状況を確認したところ、あるエアラインでは日によってエコノミークラスで一人往復5,000ドル以上もかかり、一番高い日は8,000ドル以上もしました。以前は一人900ドル台で気軽に帰国できたのですが、この金額ではよっぽどの状況でない限り帰国することが出来ず頭の痛いところです。


 つい数週間前まではまだそこまで高騰しておらず、旅行会社の話によると欧米行きほど日本行きは高くないので、日本へのスキー旅行がやはり人気だということでしたが、現在は欧米並みに高騰しているようです。日本の国境再開の発表と同時に航空券を予約している人や、また、国境再開を期待して以前から予約している人はもっと安く購入していると思うのですが、それにしてもオーストラリア人の消費意欲の高さとホリデーへの執着は、並々ならないものがあると改めて驚かされます。とは言えこの高騰が続くと訪日旅行意欲にもやはり影響が出ると思われるので、コロナ前の価格に何とか戻って欲しいものです。そして1日も早く日本の入国ルールが、コロナ前と同様に戻ることを期待したいと思います。

2022年11月 CRe8Japan 通信: テキスト

11月22日(火)クリエイトジャパンブログ

日本とオーストラリアのギャップについて

 11月は日本のインバウンドに携わる多くの方々が来豪されました。関係者の皆さんといろいろお話しさせていただきましたが、口を揃えておっしゃっていたのは、オーストラリア入国時のスムーズさ、マスクなし生活の快適さ、日本入国時の煩雑さ、マスクなしからマスクありの生活に戻る煩わしさ、などです。郷に入れば郷に従えと言いますが、そのギャップは縮まるどころか広がる一方ではないかと心配になってきます。

 

 筆者のシドニーの知人は、日本のインバウンドだけではなくオーストラリアのインバウンドにも長年関わっている方なのですが、彼がこんなエピソードを聞かせてくれました。オーストラリア人のホテル営業パーソンと日本に先日セールスに行った際の話です。日本の旅行会社の担当者から、日本人観光客をオーストラリアに送客する際の条件として、ホテルのフロントスタッフが日本人観光客に対応をする際はマスクを着用してほしい、そしてレストランで食事する際はパティションを設置してほしい、との要望があったとのことです。オーストラリア人が日本に旅行する際に日本のルールを守るのは当然かとは思いますが、日本のルールをオーストラリアに持ち込むのは流石に対応できず(対応するレストランはないだろうし、フロント係にそんなことを強要したら労使問題を取り扱うフェアワークに訴えられるでしょう)、丁寧に送客をお断りしたと知人は言っていました。日本の旅行会社は世界中に日本人観光客を送客するのですから、もう少し世界の情勢や状況を把握してほしいものですねと、二人で話をしていました。


 また、先週日本の母に電話した際、彼女は開口一番「オーストラリアは今コロナとインフレンザが同時に大流行していると最近ニュースで言っていたけど、大丈夫?」と心配そうに尋ねてきました。確かに今年5月から6月にかけて、本格的な冬になる前にインフルエンザの予防接種をするよう政府や関係機関が呼びかけていたので、何年かぶりに私も7月に接種しましたが、ここ最近インフルエンザは話題にもなっていないし、マスクなしの生活を送っていることを母に伝えたところ、「信じられない。日本でマスクをしていないと白い目で見られるわよ」と言って驚いていました。私自身は日本のメディアがどのようにオーストラリアの状況を伝えているのかがとても気になりました。


 どの国にも独自の文化や習慣、ルールはあるのは当然のことですが、コロナや世界的なインフレはどの国も直面している共通の課題です。時には前例にとらわれた習慣やルールを臨機応変に変化させていかないと、日本と世界のギャップはますます広がるばかりか、大きく遅れをとることになりかねません。オーストラリアの目下の課題はコロナではなく、インフレ対応です。インフレに合わせて商品やサービスに価格転嫁され、それに伴い賃金も上昇を続けています。一方日本は価格転嫁できない土壌があり、賃金も上げることもできず、結果的に国民の生活が圧迫されることになります。さらに日本はコロナ第8波の影響で医療現場がひっ迫している市町村もある、というニュースを聞きました。この同じことの繰り返しに、まるで2年前のオーストラリアのデジャブを見ているような気がして愕然としました。世界共通の課題に対して、斬新な発想と行動を持って素早く立ち直る国と、従来の慣例に沿ってズルズル立ち直れない国。日本が前者になってくれることを心から願いたいと思います。

2022年11月 CRe8Japan 通信: テキスト
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