9月30日(金)クリエイトジャパンブログ
過去最高のオーストラリア人が日本へスキー旅行!?
今日はシドニーの旅行会社数社から得た情報をお届けしたいと思います。
10月11日からの入国規制撤廃の発表直後から、どこの旅行会社も問い合わせや予約が急増しているようです。スタッフの少ないある旅行会社は、問い合わせや予約が殺到しているので電話の回線を一時期的に中断し、メールでのみの対応に切り替えたそうですが、それでも返信が追いつかず24時間体制で対応しているとおっしゃっていました。その方の見解では、過去最高のオーストラリア人が日本へスキー旅行で出かける可能性もあるのでは、とのことでした。その要因として、降雪具合などによって日本・カナダ・アメリカなどを毎年巡回してスキー旅行をしていた人たちが、今回は円安もあり一挙に日本に押しかけるかもしれないとのことです。むしろ2023-2024年シーズンは、カナダやアメリカに分散されるので、日本へのスキー旅行はコロナ前ぐらいに落ち着くのではないか、との見解でした。
また別の旅行会社の方も、朝5時半から夜寝るまでずっとパソコンに向かって問い合わせの対応をしているそうで、コロナ前よりも忙しいとのことでした。この方いわく、ここ数年OTA(オンライントラベルエージェント)で予約しキャンセル等で痛い目にあった人たちがたくさんいるため、今までTTA(トラディショナルトラベルエージェント・実店舗を持つ旅行会社)を利用していなかった人たちからの問い合わせが増えているようです。また、日本の受け入れ側もコロナ禍で最低限のスタッフで対応しているので、この急激な変化に対応できるかを心配されていました。日本とやり取りする中で、その大変さが伝わってくるとおっしゃっていました。
オーストラリアではコロナで旅行業界を離れた人はすでに他の定職に就いており、人材を確保するのが難しくなっています。日本においても恐らく同じ状況だと思いますが、次冬に向けてどれほどのスタッフをどのように確保するかは、とても大きな課題ではないでしょうか。
9月13日(火)クリエイトジャパンブログ
インバウンド復活後のマスク着用について
日本は未だ外国人観光客は自由に旅行できない状況が続いていますが、本日はインバウンド復活後のマスク着用における、日本人とオーストラリア人の見識の違いについて触れてみようと思います。
元々コロナ前からオーストラリアでは(欧米諸国も)、マスクを着用するという習慣がありません。コロナ前はまれにアジア人でマスクを着けている人を見かけたことはありますが、オーストラリア人がマスクを着けているのを見た記憶がほとんどありません。その典型的なエピソードとしてこんなことが以前ありました。
ある日、来豪間もない日本人スタッフがマスクを着用して出社してきました。そのスタッフは風邪を引いていたらしく、しばらくゴホゴホと咳き込んでいましたが、いきなりオーストラリア人スタッフがその日本人スタッフに歩み寄り、「気持ち悪いのでマスクをとってくれませんか?とても不気味で怖いです」と言ったのです。このオーストラリア人スタッフは普段とても穏やかな優しい人間で、日本人スタッフとも仲良く仕事をしていて、オーストラリア人には珍しく残業することもあるとても辛抱強い人間でした。それに日本語が堪能で、日本にも住んでいた経験もあり、日本の風習や文化、習慣にも慣れているのですが、どうしても事務所内でマスクをしていること自体が我慢できなかったようです。また会話の端々から、マスク姿自体に違和感があるのだと思いました(確かに筆者自身もコロナ前の帰国の際、空港で日本人がマスクをしている姿に違和感がありました)。そう言われた日本人スタッフはキョトンとした顔でしばらく呆気にとられていましたが、すぐに気を取り直してマスクを外し謝りました。
この日本人スタッフとしては、軽い風邪ぐらいで会社を休むという発想自体がなく、人に風邪を移さないために気をつかってマスクをしてきたのと思うのですが、オーストラリア人スタッフにとってマスク姿は不快で、スタッフ全員に風邪を移す可能性があると判断し、風邪を引いているのに出社することは非常識な行為だと考えたわけです。この件は極端な例かもしれませんが、一般的にオーストラリア人はマスクを着用したくないし、マスクをしている人が周りにいること自体を不快に思う人が中にはいるようです。
コロナのパンデミックによってマスク着用に対する考え方がオーストラリアでは一変しましたが、ある特定の場所やオケージョンを除き、今ではほとんどコロナ前と変わらない生活に戻ってきています(感染を避けたい人やアジア人の中ではマスク着用の習慣は一部残っています)。ところが元々日本はマスクを着用する習慣が根付いていて、将来コロナがほとんど収束した場合でも、感染防止というより人目を気にしてマスクを着用し続ける人がたくさんいるように思います。コロナの影響によるマスク着用の習慣がなくなるのは、日本が世界で最も遅いかもしくはこのまま根付いてしまうのではないかと懸念してしまいます。
世界のマスク着用義務は早々に緩和され、日本でも場所や条件によってはマスクを外すように促されていますが、一歩外に出るとほとんど人がマスクを着用したままです。マスクだけではなく、多くのレストランでは自治体によっては未だ同一世帯の会食であってもパティション越しに話す必要があります。共同トイレの温風ハンドドライヤーは未だに「コロナ感染防止のため使用禁止」と張り紙が貼ってあって使用できない箇所が多く存在します(そもそも手を触れない仕組みでしかも手を洗ったあとに使用するのに、なぜ感染するのかは謎なのですが。ちなみにオーストラリアではコロナ禍でも普通に使えました)。他にもいろいろな日本独自のルールがあり、今後インバウンドが復活した際はどこまで外国人観光客に適用されるのかが懸念されます。と同時に、外国人観光客が好まないシステム(例えば現金決済や飲食店での細かいルール、論理的に外国人が納得できないようなルール)を、需要やトレンドに合わせて改革できるかどうかも重要なポイントになってきます。
「郷に入れば郷に従え」 と言いますが、快適に長期旅行を楽しんでもらい、そしてリピーターとして再び日本を訪れてもらうには、日本はいろいろな改革に着手しないといけない時期かもしれません。オーストラリアの入国緩和以降、日本からオーストラリアに来られた方が一様にマスクなしの生活に驚かれますが、オーストラリア人が日本を訪れた際、マスク着用義務がない場所でもマスクをしているたくさんの日本人を見て、果たしてどのように感じるのでしょうか。
9月08日(木)クリエイトジャパンブログ
オーストラリアはコロナ感染者数と死者数の発表を毎日から毎週に変更
パンデミックの間はコロナ感染者数、死者数、入院者数、重症者数、ワクチン接種数などが毎日発表されていましたが、9月9日(金)の発表を最後に、週一度の発表へと変更になります。その理由は「当初に比べ日々の発表は重要ではなくなった」ということです。
オーストラリアは6月頃から国民に対し、「オミクロン株の感染ピークは8月になるだろう。それまでは感染者は増えるが重症化するケースは少ないので、パニックになることなく冷静に対応するように」と呼びかけてきました。自宅で簡単に検査ができる簡易PCR検査キットで陽性結果がでた場合も、症状が軽ければ1週間の自宅隔離を義務付けただけなので、医療現場が混乱することもありませんでした。
ここ数年のコロナ禍において、日本もオーストラリアも同じような波で感染が拡大しましたが、それに対する政府の対応やスピードは随分と違うことを実感しました。日本は2~3ヶ月オーストラリアより対応が遅れている印象です。そのことを考えると、日本が続けている感染者数等の毎日の発表はいつまで続くのか、そして他国がとっくに再開している国境を、中途半端な施策でいつまで閉ざすのか、とても心配になってきます。
思えば14年前に起こったリーマンショックでは、オーストラリは大胆かつスピーディーな経済支援政策で、世界的にみてもいち早く経済を回復しましたが、日本は対応が後手後手に回り、その後も経済は低迷したままで国民の所得は増えず、2021年度国民一人あたりのGDPも世界24位まで下がり、あっという間にオーストラリアの10位と大きく差がついてしまいました。
本ブログで幾度となく書いてきましたが、国の政策とそのスピードは国民の生活を大きく左右する大きなポイントだと思っています。引き続き日本とオーストラリアの政策に注視していきたいと思います。