7月28日(水)クリエイトジャパンブログ
NSW州(州都シドニー)のロックダウンは延長
デルタ株の感染者確認が連日100人を上回ることから、NSW州のベレジクリアン首相はロックダウンを4週間延長し、8月28日まで実施することを発表。政府は助成金の受取資格の枠を広げ金額もアップしていますが、ロックダウンやワクチン接種に反対するプロテスタント約3000人が、24日シドニー中心部でデモを行うなど、市民の間にストレスが鬱積しています。政府は記者会見でデルタ株の感染力の強さを強調していますが、9週間にも渡る行動制限が市民にどう影響するのかが懸念されます。VIC州(州都メルボルン)は連日感染者が確認されていないことから、27日夜中からロックダウンは解除されましたが、引き続きある程度の行動制限は持続されます。
インバウンド視点での話題はというと、やはりオリンピックでしょうか。現在テレワークの人が多く、また時差がほとんどないことから大勢のオーストラリア人がテレビ観戦しているようです。現地レポーターは選手のインタビューや試合結果だけではなく、日本の生活や文化など多岐に渡り伝えており、加えて各局が日本特集を組んでいるので、この数週間の宣伝効果は絶大だと思います。閉塞感の中で、オリンピアンたちの活躍に元気をもらっている人がたくさんいるのは間違いありません。
7月22日(木)クリエイトジャパンブログ
東京オリンピックで大盛り上がり!
連日東京オリンピック関連の報道が増えていますが、どの局も日本のコロナ感染対策がきちんとしていることと、ゲストを迎えるおもてなしの対応をベタ褒めしています。チャンネル7のスポーツキャスターは毎朝選手村からレポートしていて、日本の文化や生活の様子も紹介しています。先日はセブンイレブンでの買い物の様子を中継していましたが、豊富な品揃えに大喜びし、楽しくて仕方ないといった感じでスタジオのキャスターたちも大受けでした。インバウンドにとっては連日大きな宣伝になっていると思います。女子ソフトボールチームは日本に完敗でしたが、女子サッカーチームはニュージーランドに勝ち、そして2032年の夏季オリンピック開催がブリスベンに決定したことで、オーストラリアは大盛り上がりです。
一方シドニーでの感染がなかなか収まらず、さらなるロックダウン延長の可能性も出てきました。ステイホームの状況がしばらく続きそうですが、ここぞとばかりにテレビでオリンピック観戦を楽しんでいる人がたくさんいると思います。
GO GO JAPAN! GO GO AUSTRALIA!
7月20日(火)クリエイトジャパンブログ
テレビ各局でTOKYOオリンピック特集
オリンピック開幕が目前に迫り、各局特集を組んで盛り上げています。現地からのレポートや選手のインタビュー、コロナ関連ニュースが主ですが、その中でも興味深かったのが、57年前の東京オリンピック・女子水泳100m自由形で金メダルを獲得したドーン・フレーザーさんのインタビュー。ドーンさんはよく日本関連のイベントに招待されることがあるので過去に一度お会いしています。インタビューでは当時の東京の様子が白黒映像で放送され、いかに活気があり経済成長を遂げていたか紹介されていました。そしてドーンさんは日本の印象を「Beautiful country and beautiful people」と表現していました。昔も今も全く変わらないオーストラリア人の日本の印象。コロナ感染が抑えられ、成功裏に終わってくれることを願うばかりです。
7月16日(金)クリエイトジャパンブログ
VIC州(州都メルボルン)が5日間のロックダウンへ
VIC州(州都メルボルン)は15日の時点で市中感染者が10人確認されたことから、同日夜中から5日間のロックダウンが開始されました。外での運動は2時間まで、外出は5キロ以内など、NSW州よりも厳しい規制内容となっています。感染元はシドニーの引越し業者が、感染した状態でメルボルンに行き作業をしたためであることが判明しています。NSW州と同様に、このロックダウンによって経済ダメージを受ける企業や労働者に対して、助成金を支給することも発表されました。
NSW州(州都シドニー)も細かな発表があり、この24時間で77,587件のPCR検査を実施し97人の感染者を確認、現在の入院者数が75人、集中治療室に入っている人が18人、うち人工呼吸器をつけている人が5人とのことです。
シドニーもメルボルンもしばらく不便な生活ですが、感染元や感染ルート、感染エリアが明確に発表されているので、割りと安心して暮らすことができます。それでもステイホームは義務なので、人々がきちんとルールを守り1日も早く通常の生活に戻ることを願いたいと思います。
7月15日(木)クリエイトジャパンブログ
2021-2022冬シーズンにおけるオーストラリアからのスキー旅行の可能性は?
毎日11:00からNSW州のベレジクリアン首相の記者会見が始まりますが、本日の第一声は「この24時間で58,000人の州民がPCR検査を受けてくれてありがとう」というものでした。そのうち感染者が65人だったので、この3日間は毎日少しずつ減少しています。会見には州の首相、保険相、主席医務官、警察副長官が出席しますが、原稿を読み上げるスタイルではなく、記者団との応酬が1時間続きます。記者からかなり厳しく突っ込んだ質問が矢継ぎ早に飛ぶのですが、口ごもることもなく理路整然と、説得力のある言葉で説明していくのがとても印象的です。
ベレジクリアン首相
記者団
チャンネル7の朝のモーニングショーでは、オリンピックの取材のために東京入りしたレポーターから生中継がありました。成田空港到着時の厳重なチェックシステムと徹底したコロナ感染対策を映像付きで紹介、そして防護服に身を包んだスタッフが笑顔で手を振りながら迎えてくれる映像が繰り返し流れていました。また選手村からの生中継では、いかに選手の感染と健康管理に気を配っているかを強調し、大変素晴らしい対応である、とのレポート内容でした。
ところで今回のNSW州のロックダウン延長を受けて、日本の皆様から次冬シーズンにおけるオーストラリアからのスキー旅行の可能性について、何件かお問い合わせがありました。こればかりは両国の状況を見ながらでないとなかなか判断するのは難しいのですが、あくまでも筆者個人の主観的な見解として以下のような内容でメールをお送りしました。参考程度にお読みいただければ幸いです。
**以下メールより**
NSW州のベレジクリアン首相が繰り返し記者会見で発言していますが、今回のロックダウン実施は限りなく感染者をゼロにすることが狙いで、早急に普段通りの生活を取り戻し、自由に旅行できる状況に戻すことが目的なので、しばらく辛抱するよう州民に呼びかけています。ゼロになるまではロックダウンを続けることも示唆し、とにかくルールを守るように訴えかけています。しばらく不便な生活になりますが、むしろワクチン接種の加速化が進み、結果良しとなることに期待しているところです。
もう少し様子を見る必要があると思いますが、オリンピックが成功するか失敗するかが一つの目安になるかもしれません。感染対策に成功して世界を感動させることになれば追い風になりますが、選手が日本で感染して入院するようなことになれば逆風が吹くと思います。
日本へのスキー旅行に限って言えば、北半球の人は自国または近隣諸国で済ませる人がしばらくは多くを占めると予想し、全世界からインバウンドが戻るまでは数年かかる可能性があると考えます。一方南半球からのスキー旅行は四季が逆転しているので、市場が戻りやすいのは南半球ではないかと考え、実際そうなるようにベストを尽くしたいと思います。
**以上メールより**
肝心なのは最新情報に耳を傾けながらも、その出来事ごとで右往左往するよりも、インバウンドに関しては長期的な目線で物事を見て、今できることを着実に実施していくことが大事ではないかと思います。
7月14日(水)クリエイトジャパンブログ
『ロックダウン』vs『非常事態宣言』
ニューサウスウェールズ(NSW)州(州都シドニー)では、連日100人前後の感染者が確認されることから、現在実施中のロックダウンの7月30日(木)までの延長を決定しました。またこのロックダウンに対して、助成金制度を新たに見直し、より多くの労働者や企業を支援するための助成金を支給することを13日に発表しました。
オーストラリアの『ロックダウン』と日本の『非常事態宣言』、どちらも経済的にも日常生活的にも大きなダメージを与えますが、全く異なる政策なのは周知の通りです。日本ではこの非常事態宣言が「中途半端で緩い」という声が多く聞かれ、実際たびたび繰り返される宣言に人々は慣れてしまって、あまり効果がないというような報道を何度も耳にしました。
ご存知の通りオーストラリアを始め各国のロックダウンとは大変厳しい規制があり(NSW州の規制は7月9日のブログ参照)、外出や人の集まりに制限があり、違反すると罰則や罰金が科せられます。小売店や飲食店は基本的に店内での営業禁止なので死活問題です。オーストラリア人に日本の時短営業要請のことを伝えたら、「日本のコロナは時間帯によって活動するの?」とジョークまじりに聞かれたことがあります。ちなみにですがNSW州の面積は80万平方キロメートル強なので、国土面積が38万平方キロメートル弱の日本がすっぽり入ってもまだ半分以上余ります。東京の緊急事態宣言はオーストラリアから見ると、町や村単位レベルでの規制に映るかもしれません。
参考までに人口820万人足らずのNSW州ですが、PCR検査数は毎日5〜6万件で推移しています。一方人口1億3千万人を抱える日本全体のPCR検査数も、ここ最近は毎日5万〜6万件程度なので検査数には違いがありませんが、人口比にするとNSW州は0.73%、日本は0.046%の検査数となります。もし日本がオーストラリア並みにPCR検査を実施したとしたら、恐らく違う桁の感染者が確認されることは想像するに難くないと思われます。
7月2日のブログで書いた通り、今後オーストラリアは感染者数ではなく入院者数、重傷者数、死亡者数を重視する政策に切り替えていきますが、その根拠となる科学的データの分母となるのがPCR検査数です。モリソン首相が昨日テレビでNSW州民に呼びかけていましたが、「今やらないといけないことはシンプルに『家にいること』『ワクチンを打つこと』『PCR検査を受けること』の3つだけです」と言っていました。感染が広がっているシドニー南西部のエリアでは、居住エリア以外に働きに出かける人は3日に1度PCR検査を受けることが義務付けられ、ドライブスルー検査場は長蛇の列です。
少し話がずれてしまいましたが、ロックダウンも緊急事態宣言もない世の中に早くなってくれることを願うばかりです。
7月13日(火)クリエイトジャパンブログ
東京オリンピック開催を前に
もう少しで東京オリンピックが始まりますね。賛否両論の大会となっていますが、今日はオーストラリアの選手団のネタをお届けします。テレビ観戦でオーストラリア人選手が出てきたら、思い出してもらえると嬉しく思います。
今回の選手団は合計472人で史上2番目に多い選手を送り出すようです。日本サイドからすると「この時期にそんなに大挙して来るの?」となると思いますが、オーストラリアサイドも「日本は感染が収まらないので選手団は少ない方が良いのではないか」という意見も一部あるようです。ただ選手からすると日本の感染状況を理解した上で「2回のワクチン接種も完了しているし、日本の感染対策も信用しているので、日本に行くことは特に恐れていない」という感じだと思います。ここで注目したいのは472人の内訳が男性218人、女性254人で圧倒的に女性選手が多いことです。各国や過去のデータはわからないのですが、恐らく世界的にみても珍しい比率ではないかと思います。
そしてもう一つ注目したいのは、先住民の選手が16人含まれることです。特に先住民枠といったものはないので、純粋に記録と結果を出して選出されています。この背景としてオーストラリアは、随分前から先住民のコミュニティーを支える活動に力を入れていて、それはスポーツ界においても例外ではないようです。長年に渡るそういった地道な支援活動が実をむすび、芽がでてきたのではないでしょうか。ぜひオリンピックという大舞台で花を咲かせてほしいと思います。
8回目のオリンピックに参加する熟練馬術選手や、最近になって世界新記録を連発している女子水泳チームなど、話題豊富なオーストラリア。日本の皆さんは複雑な思いで開幕を迎えると思いますが、両国の更なる親交を願って、ぜひオーストラリアのオリンピアンを応援してもらえればと思います。
7月12日(月)クリエイトジャパンブログ
デルタ株の感染が収まらないシドニー
ニューサウスウェールズ(NSW)州(州都シドニー)では11日(日)の感染者が遂に3桁の112人確認され、更なるロックダウン延長の可能性が出てきました。NSW州のベレジグリアン首相は記者会見で、ロックダウンのルールの徹底とワクチン接種を連日強く市民に求めています。
さて話は変わって、ウィンブルドンで開催されていた全英テニスオープンで、Ash Barty(アッシュ・バーティー)選手が決勝で勝利し、オーストラリアの女子テニスプレイヤーとしては41年振りに全英オープンテニスを制しました。その快挙にオーストラリア中が大騒ぎです。バーティー選手は小さい頃から才能を発揮しウィンブルドン女子ジュニア大会でも優勝していますが、世界を飛び回るハードなツアースケジュールもあり、20歳手前で「燃え尽きた。休息が必要だ」とし、テニス界から離脱してクリケット選手に転向します。そしてプロのクリケット選手としても活躍した後、翌年再びテニス界にカムバックし大躍進することになります。
この大活躍のポイントはテニスから一度離れたことが大きな要因になっていると思います。もし仮にそのまま続けていたら、しばらくは何とか持ちこたえたかもしれませんが、数年後には身体的にも精神的にもボロボロになり、それこそ永久に引退せざるを得ない状態になっていたかもしれません。それを見越しての判断だったかは分かりませんが、本人はそのように決断し、そしてコーチや家族もその決断を受け入れて本人の意思を尊重しました。将来有望な若手選手がそのような相談を周囲にすると、普通は「もったいない」とか「もう少しがんばりなさい」、または「皆それを乗り越えて一流選手になるのよ」と言う大人が多いと思いますが、離脱も復帰も本人の意思で決断し、周囲もその意思と決定をサポートしたからこそ、現在の活躍があるのだと思います。
このような事例はオーストラリアではごく当たり前なのですが、その当たり前のことをさりげなくできるからこそ、オーストラリアはスポーツ大国であり、世界的に活躍する選手を多く輩出しているのだと思います。あまり大きなニュースにはなっていませんが、同大会の車椅子テニス・クアード(四肢麻痺)の部でも、オーストラリアのDylan Alcott(ディラン・アルコット)選手が優勝しました。コロナ禍で暗いニュースが多い中、ダブルで良いニュースでした!頑張った二人を心から祝福したいと思います。
7月9日(金)クリエイトジャパンブログ
ロックダウン中のシドニー、更なる規制強化へ
1週間のロックダウン延長が決定された7日(水)以降も毎日30~40以上の感染者が確認されるため、ニューサウスウェールズ(NSW)州(州都シドニー)は9日(金)17:00から更に厳しく規制することを発表しました。追加された規制内容の要約は下記の通りです。
●外(アウトドア)での運動は最大2人まで。
●住居から10km以上の外出禁止
●家族以外の人との車の同乗禁止
●ウィンドウショッピング(明確な目的のない買い物)の禁止
●1日あたりの買い物は1回のみで、1家族で買い物のために外出できるのは1人のみ
●知人宅などの訪問禁止
●葬儀は最大10人まで(7月11日より)
この発表があったのはお昼前後なので、わずか5時間後には適用されるという今回もスピーディで細かなルール付けでした。現在感染者が増加しているエリアでの警察の監視も強化されるようなので、ほとんどの人がステイホームのフライデーナイトになるものと思います。ちなみにルールに違反した場合は一人当たり1,000ドルの罰金、マスク義務化の場所で不着用の場合は200ドルの罰金です。すぐに切符を切られます。
一方ここ最近の日本に関する報道というと、オリンピックが無観客で行われること、海外選手団の中に感染者が確認されたこと、選手村スタッフの中に感染者が確認されたこと、などです。歩道から水鉄砲で聖火を消そうとする一般人の映像も繰り返し流れていました。
(参考資料)ニューサウスウェールズ州発表 7月9日時点でのコロナ感染者数等
以上、しばらくシドニーは「STAY HOME, STAY SAFE!」が合言葉になりそうですが、良いニュースもありました!
ウィンブルドンで開催されている全英テニスオープンで、Ash Barty(アッシュ・バーティー)選手が準決勝で勝利し、オーストラリアの女子テニスプレイヤーとしては41年振りに決勝進出しました。クイーンズランド州出身者としては史上初の快挙です。オーストラリアはこの明るい話題で大盛り上がり!決勝戦が楽しみです。
7月7日(水)クリエイトジャパンブログ
シドニーのロックダウン、1週間延長決定
本日NSW州(州都シドニー)のベレジグリアン首相が記者会見を開き、コロナ感染者が日々確認されていることからロックダウンをもう1週間延期し、16日(金)の夜中までとすることを発表しました。市民、特に小売サービス業の事業者にとっては大変厳しいですが、徹底的に封じ込めるための決断だったのでしょう。
オーストラリアでは州ごとに日々の細かなコロナ感染状況とワクチン接種状況を、ウェブサイトやFacebookなどで確認することができます。こちらはNSW州の7月6日(火)時点でのデータです。
(参考資料)ニューサウスウェールズ州発表 7月6日時点でのコロナ感染者数等
NSW州の人口は820万人ぐらいですが、この24時間でのPCR検査数は32,136件、そのうち市中感染者が18人、海外からの入国者の感染はゼロ、2020年1月からの感染者合計は5,808人、入院中が26人、集中治療室に入っている人が6人、今まで亡くなった方の合計は56人、PCR検査数の合計は今までで725万201件です。このデータからNSW州の人口の0.07%がコロナに感染し、その感染者5,808人のうち亡くなった人は1%弱であることが確認できます。
(参考資料)ニューサウスウェールズ州発表 7月6日時点でのコロナワクチン接種回数
ワクチン接種はこれまでの24時間で20,562回、2021年2月22日から累計で242万6,414回です。
先日のブログでモリソン首相が「コロナをインフルエンザのように扱い、治療していくことが最終ゴールだ」と発表したことを書きました。国策として一国のトップが発言するのはとてもインパクトがあったと思います。この発言は科学的なデータをもとにした専門家たちのアドバイスがあってのことだと思いますが、そのデータの大元となるのがPCR検査数ではないかと考えます。この分母にあたる検査数を可能な限り増やすことで、より正確な感染率や入院率、重症化率、死亡率がはじき出せるのではないでしょうか。
オーストラリア政府は昨年ロックダウンを開始した当初から、症状があるないに関わらず、全国民に対し「PCR検査を受けよう!」と口をすっぱくして言い続けてきました。テレビコマーシャルも頻繁に流れていたようです(筆者は当時日本滞在中でした)。もちろん検査は無料で受けることができます。お店や施設などの入出店QRコードアプリもすぐ開発して現在は義務化し、感染ルートを徹底的に追跡して、感染の疑いがある国民には強制的に検査を実施しました。今シドニーは一時的にロックダウン中ですが、世界的にみてもコロナの封じ込めに成功している国と言えます。それはこのように科学的なデータを持って政策を決断できることも要因だと思います。過去にもリーマンショックなど世界的な経済ダメージにおけるオーストラリアの政策を見てきて、また今回のコロナ関連の政策もそうですが、その印象は「Drastic(大胆)、Speedy(速い)、Smart(賢い)」です。リーマンショックの際も各国に先駆けて経済を立て直し、30年以上に渡りGDP成長を続け、今回の感染も各国より抑制できているのは、やはりこの「Drastic、Speedy、Smart」の三拍子が揃っているからだと考えられます。日本のインバウンドにとっては、今後も長期的に期待できる市場だと思います。
7月5日(月)クリエイトジャパンブログ
『ロックダウンなし。国境再開への道』 をモリソン首相が発表
2日(金)内閣の同意を得たとしてスコット・モリソン首相は、ワクチン接種率の上昇に伴い、ロックダウンを解除し国境を再開するための道筋と計画を4つのフェーズ(段階)に分けて発表しました。以下、会見の内容を要約したものです。また一歩、国境再開に向けて進んだように思いますが、具体的なスケジュールについては状況を見ながらになりそうです。
『オーストラリアは今までコロナ感染が重症化する確率が低いことを学んだ。従って今後は感染者数ではなく、入院率や死亡率を重視することに移行し、最終的にはコロナをインフルエンザのように扱い、治療していくことが最終的な目標である』
<フェーズ1>「現在進行中」
●オーストラリアへの入国者を7月14日より50%削減、毎週約3千人とする
●帰国難民(海外に居て帰国できないオーストラリア人)のための政府チャーター便の増加
●ワクチン接種者への7日間の自主隔離の試験実施(現在全ての人は政府が指定する施設で2週間の強制隔離)
●接種状況をデジタルで確認できる仕組みの開発
※16歳以上のオーストラリア人の8.3%強がワクチンを2回接種しており、30%が少なくとも1回の接種を完了している。
<フェーズ2>「感染者数を重視しない」
●ワクチン接種者に対する出入国制限の緩和と、ロックダウンによる規制の緩和
●ロックダウンは非常事態での入院や死亡を防ぐことを目的に実施
●ワクチン接種済みの外国人観光客の受入拡大
●学生ビザ、ビジネスビザ保持者の入国者数の上限を設定
●ワクチン接種済の旅行者に対する隔離の見直し
●ワクチン接種を加速化させるプログラムの導入
※現在の「感染者数の重視」から、まだ最終決定ではないもののフェーズ2で「入院者数、重傷者数、死亡者数の重視」に移行する理由は、ワクチン接種者でも感染する可能性はあるが、重症化する可能性が非常に低いという判断のもと決定。
<フェーズ3>「ロックダウンを実施しない」
●ワクチン接種を加速化させるプログラムの実施
●ワクチン接種者は全ての国内規制から免除
●海外からの帰国者数の上限を廃止
●ワクチン接種者の海外渡航を許可
●自由に行き来できる国数の増加
※コロナを季節性インフルエンザのように扱い、ロックダウンのない生活の段階
<フェーズ4>「日常の生活へ」
●コロナによる影響は多少残っているものの、ほぼ通常の生活に戻す
※フェーズ4に移行するにはフェーズ3までの段階で、オーストラリア人がワクチン接種を選択することが重要
以上が記者会見の概要となります。
ところでちょっとしたネタですが、近所で見かけたバーの前に立て掛けられていたこの看板。ロックダウンで一番ダメージを受けるのが飲食店だと思いますが、持ち帰りであれば営業OKなので、どのお店もあの手この手でがんばっています!公道や公共の場所での飲酒が禁止されているオーストラリアで、店内しか席がないこのお店がどのようにカクテルを提供するのか、やはり持ち帰り用カップで飲むことになるのか、今度トライしてみようと思います(笑)。
7月1日(木)クリエイトジャパンブログ
『OMAKASE』が大人気!
オーストラリアは本日から新しい年度の始まりです。今年度こそは世界中で自由に旅行ができるようになりますように!
今朝のチャンネル7のモーニングショーは、昨日のブログで触れたアストラゼネカ(AZ)ワクチンの話題で持ちきりでした。政府の判断(年齢を問わず全ての国民が接種できる)に対して、医師たちが若年層に対しての危険性を訴えるものです。「VACCINE WAR OF WORD」と銘打って、両サイドのキーパーソンがそれぞれの意見を主張し、応戦し合っていました。政府は40歳以下でAZを希望する人は、掛かり付け医に相談してから接種するようにと言っています。ワクチンを接種して血栓ができる可能性。接種せずにコロナに感染して重症化する可能性。判断するのは難しいので、しばらく傍観する人もでてきそうです。
さて、今日は旅行とは直接関係ないのですが、シドニーで今大人気のお任せ料理の話題をお届けします。今後の日本でのインバウンドビジネスやマーケティングのヒントになれば幸いです。
お寿司のお任せはもちろんですが、私の知る限り天ぷら、和牛焼肉、モダンジャパニーズ、焼き鳥などのお任せ料理がシドニーでは大人気で、数ヶ月先まで予約が取れないお店もたくさんあります。店名に「OMAKASE」と入れるお店も増えていて、コースで$80ぐらいから提供しているお店もあれば、一人$200といった高級店まで様々です。
もちろん今までにもシェフおすすめのお任せコース(DEGUSTATION COURSE)もあったのですが、今の「OMAKASE」の売りはズバリ!シェフが調理しているところを目の前で見れて、写真も撮れることではないでしょうか。特に日本人シェフの流れるような素早い手捌きや魚の捌き方は、うっとりするぐらい美しく、見惚れてしまう人が多いのだと思います。そしてその繊細で丁寧な食材の扱い方や包丁の入れ方は、外国人にすれば「Wonderful! Beautiful!」となるのでしょう。
その写真や動画がよくインスタグラムなどで投稿されていますが、必ず店名が@メンションされているのでかなりの宣伝効果があると思います。マーケティングが得意なお店はグルメ系インフルエンサーを招待して、上手くお店の宣伝につなげています。実は筆者も以前ちょっとは名の知れたシドニーのグルメブロガーだったので、その当時は飲食店から引っ張りだこで、ただ飯三昧の時期がありました、随分前の話になりますが、、、笑
クリエイトジャパンではクライアント様からお預かりしたご予算をSNSやネット広告で運用していますが、やはりキーワードやハッシュタグに「OMAKASE」を入れると反応が全然違ってきます。インバウンド向けに飲食店をされておられる方は、本日のブログを参考にしていただけますと幸いです。
こちらの写真は、先日オーストラリアの日本食業界をリードしてきた会社社長から誘われて、チャイナタウンにある「Yebis BAR-GRILL」(yebisubargrill.com.au)というお店でお任せを食した際のものです。寿司シェフは札幌出身でこの道一筋、筆者と同じ年齢で熟練の技が光る、日本人の間でも有名な方です。私も大ファンで何か特別な日には何度も足を運びました。
オーストラリアの食と言えばオージービーフを思い浮かべる方が多いと思いますが、シドニーフィッシュマーケットは築地に次いで世界第二位の漁獲高をほこるシーフード大国です。ワクチンパスポートが浸透しオーストラリア出張ができるようになれば、ぜひ日本に引けを取らない、レベルの高いお任せ寿司もトライしてもらえればと思います。